今日のぶらり散歩 京都 京都修学院 から一乗寺界隈
今回は、京都でも屈指の紅葉の名所である修学院から一乗寺界隈を散歩していきます。
修学院から一乗寺は比叡山のふもとに位置し、古社や古刹が集まる場所です。また、紅葉の名所も多く、秋になると多くの観光客でにぎわいます。一乗寺には京都屈指のラーメン街があり、美味しいラーメンが食べられるのも魅力の1つです。それでは、さっそく散歩していきましょう。
京都修学院 から一乗寺へ散歩スタート!
A.叡山電鉄 修学院駅
今回の散歩は、京都北部、北山通と東大路通が交差する位置にある修学院駅から始めていきましょう。修学院駅は叡山電鉄の駅であり、周辺には昔ながらの商店街もあります。
修学院駅を出て、北山通を東に歩いて行きましょう。すぐに、白川通という大きな通りに突当たります。この白川通を北に向かっていきます。少し歩くと小さな川にかかる橋が見えてきますので、その端を右(東)に向かいましょう。
ここからしばらくは、川沿いの道を歩いていくことになります。道幅はあまり広くありませんが車通りは意外と多いため、注意してください。
そのまま進むと、小さな石碑が見えてきます。その石碑にある通り、「赤山」の方向に進んでいきます。やがて、石造りの鳥居が見えてきます。その鳥居を超えてさらに進むと、京都の鬼門を守る「赤山禅院」に辿り着きます。
B.京都の鬼門を守る、赤山禅院
赤山禅院は、創建888年と長い歴史を持つ、比叡山延暦寺の別院です。京都御所から見て北東の位置にあり、都の鬼門を守ってきました。引っ越しや旅行などで障りが出ないようにするための「方除け」の神としても、古くから信仰を集めています。
本尊は泰山府君こと赤山大明神。道教の神を祀る、珍しい寺院の一つです。
赤山禅院を訪れるならば、ぜひとも、秋の紅葉の時期がおすすめです。参拝は無料でありながら、見事な紅葉を眺めることができるでしょう。また、境内は意外と広く、ゆっくり散策することもできます。
ここを訪れた際には、拝殿の屋根にある猿の像を見ていきましょう。この猿は鬼門を守るとされているもので、御所の「猿ケ辻」と対になっているものです。
赤山禅院の参拝が終わったら、山門から出て、南に向かっていきましょう。
赤山禅院の鳥居から南へ、細い住宅地を抜けていきましょう。情緒のある生垣が見え始め、さらに生垣沿いを進んで行くと、左手に修学院離宮が見えてきます。修学院離宮は17世紀頃に建てられた離宮であり、予約することで見学ができます。今回はそのまま、さらに南に進みます。
細い道をさらに進んで行くと、小さな橋が見えてきます。橋をこえて突き当りを右に行くと、「鷺森神社」が見えてきます。
C.夫婦円満や悪縁断ちに、鷺森(さぎのもり)神社
鷺森神社は素戔嗚尊を祀る神社です。赤山禅院と同じく長い歴史を持ち、創建は9世紀頃とされています。
素戔嗚尊が読んだ和歌に、こんなものがあります。
“八雲立つ 出雲八重垣 妻ごみに 八重垣つくる その八重垣を”
この和歌は、妻と住む家を良いものにしようとする気持ちを表すものですが、鷺森神社には、この和歌にまつわるとされる石「八重垣」が現存しています。
鷺森神社を訪れた際は、ぜひこの八重垣に触れていきましょう。夫婦和合や悪縁断ち、また、縁結びにご利益があるとされています。
また、紅葉の名所の一つです。長い参道を彩る美しい紅葉は、一見の価値がありますよ。また春には、美しく咲く桜を楽しむことも可能です。
鷺森神社は比較的小さく、さっと見回ることができます。神代の時代の息吹を感じながら、次の目的地へと向かっていきましょう。
参道を出てすぐ右へ、南の方向へ進みます。鷺森神社に来た時と同じく、閑静な住宅地の中を歩いて行きましょう。人通りは多くありませんので、ゆったり散歩することができます。狭い道を道なりに歩いて行くと、少し広い道に突当たります(お地蔵さんが目印です)。この道は「曼殊院道」と呼ばれ、観光名所である曼殊院に繋がる通りとなっています。
曼殊院道を左に折れ、3本目の筋を右に曲がりましょう。そのままさらに道なりに進むと、「葉山馬頭観音」という石柱が見えてきます。
D.聖徳太子が作ったとされる、葉山馬頭観音
葉山馬頭観音の正式名称は「一燈寺」。地元の人に「葉山の観音さん」と呼ばれ、愛されてはいるものの、全国的にはあまりメジャーなものではありません。そのため、人の気配に疲れることなくリラックスすることができるでしょう。
一燈寺は、山の中腹に佇む小さなお寺です。周囲は木々に囲まれており、人気が無いことも合わさって、時が止まったかのような不思議な雰囲気があります。
一燈寺の本尊は、先に挙げた馬頭観音です。馬頭観音は頭の上に馬を乗せたような姿として表現され、優しいイメージの強い通常の観音様と比べ、顔に怒りを湛えていることが特徴です。ちなみに、ここの馬頭観音は聖徳太子作だともされています。
また一燈寺のお堂には、一時、梅田雲浜(幕末の儒学者。安政の大獄で投獄され死亡した)が住んでいました。聖徳太子に梅田雲浜。歴史の深さを感じます。
それでは一燈寺を出て、最後の目的地に向かいましょう。次に訪れるのは、有名な剣聖にゆかりのある神社です。
来た道を戻り、「清賢院」というお寺の斜め向かい、2筋目の道を南に下がっていきましょう。細い道を進んで行くと、西圓寺と圓光寺という2つのお寺が見えてきます。圓光寺は美しい紅葉と庭園で有名ですので、時間があれば拝観しても良いかもしれません。
これらのお寺を通りすぎると、十字路に出ます。十字路を左に曲がると、すぐに有名な「詩仙堂」が見えてきます。今回の目的地「八大神社」は、詩仙堂のすぐ横に佇む神社です。
E.宮本武蔵ゆかりの八大神社
八大神社は13世紀に、京都の花街・祇園のほど近くにある八坂神社(祇園神社)から分霊され創建された神社です。以来、一乗寺地区の氏神として信仰されてきました。
祭神は素戔嗚尊と、その妻である稲田姫命(クシナダヒメとも)。縁結びや学業などにご利益があると言われています。また、後に挙げる事柄により、必勝開運を祈願する神社としても知られています。
八大神社は、剣聖・宮本武蔵が吉岡一門との決闘の前に訪れたとされる神社です。これが歴史に残る「一乗寺下り松の決闘」であり、決闘を繰り返した宮本武蔵の生涯の中でも重要だと言われています。
八大神社の境内には、決闘時の宮本武蔵を模した石造が立てられています。また、その時代に生えていたとされる一乗寺下り松の古木がご神体として祀られています。
この2つは、八大神社を訪れた際には必ず見るようにしておきましょう。
八大神社の見学が終われば、いよいよ散歩の最終地点、叡山電鉄の一乗寺駅に向かいます。
八大神社を出てすぐ左に、西の方向へ進んでいきましょう。まっすぐ進んで行くと、大きな通りの東大路通に出ます。東大路通を渡り、さらにまっすぐ歩いて行きます。
東大路通を渡ってしばらく歩くと、叡山電鉄の一乗寺駅が見えてきます。
F.叡山電鉄 一乗寺駅
一乗寺駅は、叡山電鉄の電車が止まる駅です。周囲には商店街が広がり、個性的なお店が軒を連ねています。
一乗寺駅周辺にあるお店の中で特筆すべきなのは、こだわりぬいた書籍と雑貨を扱う書店・恵文社です。本好きも雑貨好きも満足できる品ぞろえで、県内外から訪れる人も多くいます。また、独特な看板がチャームポイントの萩書房も注目ポイントです。
カフェや喫茶店も多いため、帰る前に疲れた体を癒していきましょう。もし、お腹が減っているのであれば、少し西に進むとラーメン街が広がっています。お気に入りの店を見つけましょう。
京都修学院 から一乗寺の散歩コースおさらい
A.(スタート)叡山電鉄 修学院駅
↓ 1.2km
B.赤山禅院
↓ 800m
C.鷺森神社
↓ 600m
D.葉山馬頭観音(一燈寺)
↓500m
E.八大神社
↓ 950m
F.(ゴール)叡山電鉄 一乗寺駅
合計4km(施設内の移動は含みません)