ぶらり散歩で身近な日本史

散歩

江ノ島 散歩。人の少ない午前中に楽しむおすすめのモデルコース!

江ノ島 は、都心から1時間ほどの小さな島で、車や電車のアクセスがよく気軽に訪れることができます。千年以上の歴史を持つ 江島神社 への参拝を軸に、頂上から眺める絶景や、レトロな土産物屋、美味しい海の幸や地元の名物、おしゃれなカフェなども楽しみます。潮風に吹かれながらしっかりと石段を登りましょう。人も少なく涼しい午前中に1周回る散歩のコースをご紹介します。

Content

江ノ島 の基礎知識

江ノ島 はどんな島?

江の島 は、関東平野の南端部に位置し、神奈川県藤沢市片瀬海岸の南方に広がる小さな島です。島の周囲は約4Km、面積は約0.41㎢、頂上の標高は約60mです。この島は、神奈川県指定の史跡名勝地とされており、歴史や自然など、さまざまな文化財が詰まった貴重な場所です。

江ノ島散歩|Found Japan(ファウンドジャパン)

江ノ島 の歴史

1182年ごろ、源頼朝(みなもとのよりとも)は、奥州藤原氏を攻撃する前に鎌倉武士47人と共に江の島を訪れ、文覚上人を招いて弁才天(べんざいてん)を勧請(かんじょう)し、戦勝を祈願しました。また、この時頼朝は江の島に鳥居(とりい)を奉納(ほうのう)したと言われています。

江ノ島 江の島 江島 ちょっと気になる正しい名称

1966年、藤沢市は住所表示に関する法律の施行にともない住所表記の変更を行い、「藤沢市大字江之島」だったのが「藤沢市江の島」に変更されました。その後、1969年地元の藤沢市観光協会より、「江の島」表記に統一を呼びかけました。古い施設は「江ノ島」、新しい施設は「江の島」、神社は「江島」という表記が多いようです。
もっとも「新江ノ島水族館」のように新しくても「江ノ島」表記を使っている施設もあります。この記事では公式サイトからできる限り正しく「江ノ島」「江の島」「江島」を使い分けるように心がけました。

江ノ島 散歩スタート!「弁天橋」を渡って江ノ島へ!

弁天橋

弁天橋は長さ389メートル、橋の江ノ島側は天気の良い日は富士山が綺麗に見えます。また、太陽が富士山側に落ちて、夕方に美しい夕日を見ることができます。

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レトロな参道 「弁財天仲見世通り」で 江ノ島 名物を!

青銅の鳥居

江ノ島 の入り口に立つ「青銅の鳥居」は江の島弁財天信仰の象徴であり、1747年に創建されました。現在の鳥居は1821年に再建され、200年以上の潮風に耐えながらその風格を保ち続けています。、市指定重要文化財に指定されています。この鳥居をくぐると江島神社へ続く参道があり、土産物屋が立ち並んでいます。

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弁財天仲見世通り

「弁財天仲見世通り」は、江ノ島の入り口から「江島神社」まで続く参道となっており、狭い道の両側にはレトロなお店が立ち並び、いつも多くの観光客で賑わっています。

江ノ島散歩|Found Japan(ファウンドジャパン)

江ノ島名物のしらす料理屋や磯料理はもちろん、饅頭やたこせんべいなど、人気のお店はいつも行列しています。

「紀の国屋本店」の女夫まんじゅう

参道に入って少し歩くと甘い香りがしてきます。木の蒸し器が目印です。蒸し立て「女夫まんじゅう」が味わえます。蒸したお饅頭のほかに、大きな串団子も目の前で焼いてくれます。

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「あさひ本店」のたこせんべい

「弁財天仲見世通り」を「女夫まんじゅう」からさらに登ったところに「あさひ 本店」があります。元祖「丸焼きたこせんべい」は薄くてカリカリの焼きたてが味わえます。午前中から行列覚悟のお店です。

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江ノ島 脇道に入って秘密の漁港へ!

西浦漁港

ハルミ食堂と岩本楼の間にある路地へ入り少し進むと、路地の先に海が見えてきます。少し足場の悪い階段を降りると西浦漁港です。

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江ノ島 海岸より人も少なく静かです。引潮の時には散歩ができ、戦時中に利用された岩をくり抜いた洞穴や砲弾跡を見ることができます。

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エスカー に乗らずに石段を登って散歩します

エスカーとは?

江の島エスカーは、日本初の屋外エスカレーターとして設置されました。エスカーは3つの区間に分かれており、全て乗り継ぐと約5分で江の島の頂上に到着することができます。また、最初の区間では、海の中にいるような空間を映し出す映像が流れ楽しみながら移動することができます。3つの区画のうち部分的に利用することも可能です。

江ノ島散歩|Found Japan(ファウンドジャパン)

エスカー は有料です

料金
おとな/こども
全区間(1区~3区):360円/180円
1区:200円/100円
2区-3区:180円/90円
3区:100円/50円
江の島内の施設のご利用券とセットになったお得なチケットもあります。

エスカーに乗ると途中の眺望なども楽しめません。せっかくなので石段を登って散歩します。

3つの 江島神社 を参拝します

江島神社 とは

江島神社は神様が3姉妹なため、江の島内に3つの社殿があります。江ノ島の麓から登って最も近いのが ”辺津宮”で、そして ”中津宮” ”奥津宮” と続きます。
江島神社を訪れた際は “辺津宮”、”中津宮”、”奥津宮”の3つをお詣りするのが正しい参拝方法です。

江島神社 の歴史

「江島神社」の歴史は古く、創建は飛鳥時代よりも前の欽明天皇13年(552年)にまで遡ると伝えられています。江島神社の始まりは、欽明天皇の勅命により、江ノ島の洞窟(現在の岩屋)に宮を建てたことから始まり,その後、鎌倉時代になると、源頼朝が洞窟で戦勝祈願を行い、弁財天を勧請しました。
江島神社は、その後も戦いの神として武士たちの信仰を集めました。しかし、江戸時代に入ると、芸能や音楽、知恵、福徳財宝の神として、多くの庶民たちも参拝するようになります。
明治時代の初期には、神仏分離の影響で社名が「江島神社」と改められ、ご祭神も変更されました。
現在では、江島神社は日本三大弁天の一つにも数えられ、多くの参拝者でにぎわっています。その歴史と神聖な雰囲気が魅力であり、人々の信仰と尊敬を集める神社となっています。

静かな佇まいの”辺津宮(へつみや)”へ

辺津宮(へつみや)

創建は鎌倉時代の前期で、鎌倉幕府の将軍であった源実朝により創建されました。その後、江戸時代の中期に一度再建され、現在の社殿は昭和51年に新築されたものとなります。

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瑞心門(ずいしんもん)

石段を少し登り、朱色の朱色の鳥居潜ると、瑞心門(ずいしんもん)と言う立派な門があります。
竜宮城がモチーフになっています。

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ここから石段が続きます。

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辺津宮の社殿

石段を上り切ると、目の前には辺津宮の社殿があり、ひとつ目の社殿に到着です。
江ノ島内の三つの社殿の中では一番低い場所にあることから、「下之宮」とも呼ばれます。

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社殿の右手には茅の輪があります。茅の輪くぐりは古来から「身についてしまった厄を払うもの」「神聖なもの」として重要な役割を果たしてきました。通常は6月30日ごろに設置される神社が多いのですが、江島神社では一年中置いているそうです。こちらをくぐって参拝します。

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銭洗池

健康・金運・出世祈願ができる銭洗池が境内にあります。

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さらに左の先には、弁財天が安置されている奉安殿が見えます。

奉安殿

奉安殿(ほうあんでん)は八角のお堂で、八臂弁財天(はっぴべんざいてん)と妙音弁財天(みょうおんべんざいてん)が安置されています。弁財天像は芸術の女神として信仰されており、芸能人も訪れるようです。

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八坂神社

江島神社境内の末社「八坂神社」にも参拝します。こちらは辺津宮の境内末社です。

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むすび絵馬

境内には縁結びの大樹があり、ピンク色の絵馬を奉納する絵馬所があります。

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随分高く登ってきました。

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”辺津宮(へつみや)”から“中津宮”へさらに石段を登ります

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赤い社殿が印象的な“中津宮”

中津宮とは

石段を上り切ると、参道の先に中津宮の社殿があります。参道を進み社殿へ。中津宮の社殿は赤を基調とした建物です。辺津宮とはまた違った雰囲気があります。創建当時より、中津宮は元々「上之宮」と呼ばれていました。江戸時代になり、五代将軍綱吉により社殿が現在の様式に再建されました。平成8年には全面的な改修が行われ、現在に至ります。

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水琴窟

社殿の脇には、平成23年に開園した、水琴窟がある庭園があります。水琴窟の方から、中津宮の社殿がよく見えます。柄杓で水を流し水琴窟の音色を楽しみます。思った小さな音ですが、参道から少し入った場所で静かに穏やかなひとときを過ごします。

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江ノ島 の頂上へ到着です!海をのんびり眺めながら一休み

江の島 サムエル・コッキング苑

江の島の貿易商サムエル・コッキング氏が1882年(明治15)に作った温室跡です。10,000㎡超の広大な敷地に、さまざまな植物を育てていました。1949年(昭和24年)「江の島植物園」となり、2022年(令和4年)11月にリニューアルオープン。ガラス張りの床から温室遺構を見渡せ、コッキング氏の歴史を知ることができる「温室遺構展示体験棟」を公開しました。

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イベントのない日は入場料無料です

2023年4月1日から、夜間イベント(※)が開催されていない期間の入苑は終日無料となりました。夜間イベント開催期間中に限り17時以降に出場される場合は、これまで通り大人500円こども250円の入苑料が必要となります。(夜間イベント開催期間中も9時~17時までは入苑無料です。)

騁碧亭(ていへきてい)

藤沢市の友好都市である中国・昆明市 四阿(あずまや)。

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江の島 シーキャンドル

江の島シーキャンドルは、江ノ電開業100周年の記念事業として2003年に開設された展望灯台です。高さ59.8m、海抜119.6mの高さを誇ります。360°見渡せる見事な眺望が楽しめる。晴れた日には綺麗な富士山も眺められます。

江の島シーキャンドルの上部展望灯台へのアクセスにはチケットが必要です。

LONCAFE江ノ島本店(ロンカフェ) は日本初のフレンチトースト専門店

サムエル・コッキング苑内にあり、テラス席と室内の席があります。基本はオープンになっていて、室内にいても心地よい風が入ってきます。テラス席からは相模湾が一望できます。

江ノ島散歩|Found Japan(ファウンドジャパン)

江ノ島散歩|Found Japan(ファウンドジャパン)

展望台の名前は江ノ島なのに”マイアミビーチ広場”
マイアミと姉妹都市ということです。

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江ノ島 の頂上から少し下り「奥津宮」へ向かいます

頂上から更に奥に進みます。ここからは下階段になります。

江の島大師

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更に石段を降ります。

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山二つ

江の島大師を過ぎて少し奥津宮へ向かう石段の途中に、「山二つ」と呼ばれる江の島のくびれた部分があります。建物の間から眼下に断崖絶壁を望むことができ、道の反対には関東ローム層が露出しています。

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両脇には海鮮専門店やお菓子、カフェなどがずらり

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カメだらけの”奥津宮”

参道を進むと、石の鳥居があります。この鳥居は源頼朝が奉納した石鳥居です。

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奥津宮の拝殿

奥津宮では、多紀理比賣命(たぎりひめのみこと)という女神が崇められています。彼女は三姉妹の最年長であり、海の安全を守る神として尊ばれています。具体的な建立時期は不明ですが、おそらく江戸時代前期であると考えられています。平安時代初期の弘仁5年には、空海が岩屋に本宮を建てましたが、4月から10月まで海水が岩屋に流入するため、ご本尊は奥津宮に移されたと言われています。当時、奥津宮は「本宮」や「御旅所(おたびしょ)」と呼ばれていました。その後、奥津宮は一度焼失しましたが、すぐに再建され、現在の形に至るまで何度か修復が行われてきました。拝殿の天井には、江戸時代の画家である酒井抱一によって描かれた「八方睨みの亀」という絵があります。この亀は、どの方向から見てもこちらを見つめているように見えます。

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龍宮

奥津宮の隣には「龍宮」(わだつみのみや)があります。岩屋本宮の真上にあたる場所にあるそうです。

江ノ島散歩|Found Japan(ファウンドジャパン)

一礼して鳥居をくぐり境内へ。迫力満点の龍がお出迎え。

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眼下の海を眺めながら石段を降りて戻りましょう

来た道に戻り石段を降りて江ノ島散歩は終わりです。

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江ノ島 散歩のコース

A.弁天橋
B.弁財天仲見世通り
C.西浦漁港
D.辺津宮
E.中津宮
F.サムエル・コッキング苑
G.奥津宮

江ノ島 の公式サイト

藤沢市の江ノ島紹介ページは こちら

江ノ島 へのアクセス

公共交通機関で 江ノ島 へ

快速・急行などを利用した場合、東京駅または新宿駅からの所要時間は1時間程度です。最寄り駅は3駅あり、それぞれの駅から江ノ島までは徒歩で15分程度です。

江ノ電「 江ノ島 」駅

藤沢駅から江ノ電にのり江ノ島駅へ。江の島を訪れるのなら是非乗りたいのが江ノ電です。総延長10kmの短い距離を30分以上かけてゆっくり運行します。車両は緑に黄色のラインが入ったレトロな雰囲気です。
江ノ島や由比ヶ浜などの海水浴場や鎌倉大仏、長谷寺、極楽寺などの寺院など名所が点在しており、夏場の土日祝日は大変混み合います。
湘南らしい車窓からの風景やレトロな雰囲気が魅力ですが、乗車待ちがあることを念頭に入れて予定を立ててください。

湘南モノレール「湘南江の島」駅

大船駅から湘南モノレールに乗り湘南江ノ島駅へ

湘南モノレール「湘南江の島」駅

新宿駅または相模大野駅から小田急江ノ島線に乗り片瀬江ノ島駅へ

江ノ島 の駐車場

江ノ島 なぎさ駐車場

江ノ島に入ってすぐ、道路左側に見えてくる立体駐車場です。
1日の上限金額が設けられているので、長く滞在する場合に活用することができます。しかし、繁忙期の7・8月は、通常よりも少々料金が高くなるので注意しましょう。

場所 神奈川県藤沢市江の島1-2-1
営業時間 (7・8月)6:00~21:00、(その他)7:30~21:00
支払方法 現金
駐車制限 重さ2t以内、車高2.1m、全長5.2m、全幅1.8m
駐車可能台数 327台
公式サイトは こちら

藤沢市観光協会 江の島駐車場

江ノ島なぎさ駐車場の次に、橋に近い駐車場です。便利な場所にあるため、夏場は日中はほぼ満車です。
営業時間は24時間となっていますが夜間は江ノ島のゲートが閉まり一般車両の通行は不可となるので注意が必要。

場所 神奈川県藤沢市江ノ島1-6-7 
営業時間 24時間
料金 公式サイトを参照
支払方法 現金
駐車制限 車高2.8m
駐車可能台数 78台
藤沢市の公式サイト 江の島駐車場のページは こちら

江の島かもめ駐車場

江の島ヨットハーバー(ヨットハウス)の向かいにある駐車場です。バス専用と普通車専用の駐車場に分けられています。

場所 神奈川県藤沢市江の島1-11-1
営業時間 5:00~21:30
料金 公式サイトを参照
支払い方法 現金、クレジットカード
駐車制限 全長5.2m、全幅2m
駐車可能台数 普通車503台
公式サイトは こちら

湘南港臨港道路附属駐車場(県営江の島駐車場)

江ノ島 の最奥部にある駐車場です。「県営江の島駐車場」と呼ばれており、県営故、他の駐車場よりも比較的低価格で利用することができます。また、一般と港湾利用者に分かれています。

場所 神奈川県藤沢市江の島1-12-2
営業時間 5:00~21:30
料金 公式サイトを参照
支払い方法 現金
駐車制限 全長5m、全幅2.5m
駐車可能台数 大型車、普通車、二輪車 314台

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