ぶらり散歩で身近な日本史

散歩

神話の息吹を感じながら歩く、天橋立周辺をじっくり散歩

今日のぶらり散歩 神話の息吹を感じる天橋立 
宮城県の松島、広島県の宮島、そして京都府の天橋立の3つの景勝地は「日本三景」と呼ばれ、古来より、その景色の素晴らしさを讃えられてきました。今回散歩していくのは、そんな日本三景の1つ天橋立です。海の中を走る、松が青々と茂った砂州は、他では見ることのできない神秘的景色です。様々な場所からじっくり眺めていきましょう。

京都散歩 天橋立 ケーブルカー・リフト乗り場からスタート

A.絶景を見ながら登る天橋立ケーブルカー・リフト(府中駅)

今回の散歩の始まりは、乗りながら美しい景色を堪能できる天橋立ケーブルカー・リフト乗り場です。

天橋立ケーブルカー・リフト乗り場は、広い大通りから細い石畳みの道を進んだ先にあります。数は多くありませんが、道中には味のあるお店が立ち並んでいます。せっかくの観光地なのですから、ゆったりとした気分で眺めながら進んで行きましょう。突き当りに、ケーブルカー・リフト乗り場の府中駅が見えてくるはずです。

それでは、さっそくケーブルカーかリフトに乗って成相山を登っていきましょう。チケットは共通で料金も同じなため、気分に合わせて乗り物を選ぶことができます。ゆったりゆっくり登りたいなら、1人乗りのリフトがおすすめです。少しスリルもありますので、高所恐怖症の人は気を付けてくださいね。

ケーブルカーに乗って窓際の席を確保できれば、車内から天橋立を眺めることができます。できるだけ晴れた日を選んで、最高の景色を楽しみましょう。

ケーブルカーで4分、リフトに乗って6分程で、成相山中腹にある「天橋立傘松公園」に到着します。

B.「股のぞき」の発祥の地・天橋立傘松公園

天橋立傘松公園は、海抜130mの成相山中腹にある公園です。公園といっても、子供向けの遊具がある訳ではありません。天橋立を北側から一望できる展望台がメインです。ちなみに、傘松公園の反対側には「天橋立ビューランド」という小さな遊園地があり、小さな子供から大人まで楽しめる場所になっています。

傘松公園から見る天橋立には「飛龍観(ひりゅうかん)」という名前がついています。これは、天橋立を南から見た眺めが、まるで龍が空に昇っていくように見えることから名づけられました。

青い海の中に、すこしくねりながら伸びる緑の地。それは正に雄大な龍のようで、うっとりしてしまいます。

また、傘松公園は「股のぞき」の発祥の地ともされています。股のぞきとは、その名の通り、股の間を通して天橋立を見る方法。こうすることで、天橋立が天にかかる橋のように見えます。

股のぞきをしても大丈夫な恰好をして、絶景を楽しんでくださいね。

展望台から天橋立を眺めて、股のぞきもして、絶景を満喫したら、最後にかわらけ投げもしていきましょう。

かわらけ投げとは、丸い円盤状の形をした陶器(かわらけ)を柱の先にある輪っかめがけて投げる願掛けです。かわらけが輪っかの中を通れば、幸運が訪れるとされています。

かわらけは狙った方向に飛びません。簡単なようで難しく、旅の良い思い出になることでしょう。

傘松公園で十分楽しんだら、次に進んで行きましょう。来るときに乗ったリフトやケーブルカーで山を下りていきます。行きと違う方法を使うと、2倍楽しめますよ。 下山し、ケーブルカー乗り場の府中駅を出てすぐの道を左手の方向へ。石畳の道を歩いて行きましょう。おみやげ屋さんや喫茶店などを横目に見ながら進んでいくと、すぐに「元伊勢籠神社(もといせこのじんじゃ)」が見えてきます。

C.伊勢神宮の「元」となった由緒正しき神社・元伊勢籠神社

日本に数ある神社の中でも、三重県にある伊勢神宮は別格です。神社にあまり興味がない人でも、参拝したことがあるかもしれません。

元伊勢籠神社は、そんな伊勢神宮の元宮とされる神社。天照大神と豊受大神が伊勢神宮に遷る前、4年間ここで祀られていたのです。現在でも主祭神を彦火明命(ヒコホアカリノミコト:天照大神の孫で、ニニギノミコトの兄弟神)とし、豊受大神や天照大神も祀られています。

元伊勢籠神社を訪れた際は、しっかりお参りをすると共に、本殿の造りを見るようにしましょう。

元伊勢籠神社の本殿は伊勢神宮と同じ神明造りとなっています。神明造りは宮殿を模しているとされており、大社造り(出雲神社など)や住吉造り(住吉大社など)と並び、日本最古の建築様式の1つです。

また、社殿の高欄には美しい5色の座玉(すえたま)が飾られています。これは伊勢神宮と元伊勢籠神社でしか見られないもので、非常に珍しいものです。参拝時には、ぜひ探してみてくださいね。

本殿にお参りし、その周辺を散策したならば、ぜひ、境内奥にある奥宮・眞名井神社にも参拝していきましょう

眞名井神社の裏側には、岩そのものをご神体とする2つの磐座が鎮座しています。磐座は古代の祭祀の形を今に残すもので、アニミズムの一形態を見ることができます。

拝殿の後ろ側、磐座の主座では豊受大神が主祭神とされており五穀豊穣のご利益があるとされています。もう1つの西座には天照大神やイザナギノミコト・イザナミノミコトの夫婦神が祀られており、縁結びや家内安全にご利益があるとされています。

眞名井神社の磐座で感じられるのは、連綿と続く古代の信仰風景。神々が使う水を映したという神聖な井戸もあり、全体的な神秘的な雰囲気が漂っています。

古代の息吹に触れたい人は、ぜひじっくりと歩いてみてください。

眞名井神社も含め元伊勢籠神社をじっくりと探索したら、次の目的地へと進んで行きましょう。

元伊勢籠神社を出て大通りへ、真正面に見える、細い石畳の道へと入っていきましょう。車通りが多いため、かならず左手側(籠神社を後ろにして)にある横断歩道を渡るようにしてください。

石畳の道をまっすぐ突当りまで進むと、観光船乗り場が見えてきます。

D.絶景をすぐそばで眺める天橋立観光船・一の宮駅

天橋立観光船は、天橋立の北側と南側を結ぶ海上交通です。北側にある一の宮駅から南側の天橋立桟橋、そこからさらに東へ進んだ宮津桟橋という3つの駅があります。片道・往復両方の使い方が可能です。

先ほどまでは、高い所から見た天橋立を楽しんできました。ここからは一の宮駅から天橋立桟橋まで、約12分の船旅を楽しんでいきましょう。

観光船が走るのは天橋立の西側。そこに見えるのは、青々と茂る松並木です。海から見る天橋立は、高所から眺めるのとは全く違う雰囲気があります。そして、船にはカモメたちが並走してくれます。えさやりもできますので、動物好きの人は試してみてください。

船上での時間はゆったりとすすみます。美しい景色を眺め、気持ちの良い潮風に当たっているうちに、日頃のストレスは吹き飛んでしまうことでしょう。

約12分の船旅を終え駅からでたら、左の方向へ進みましょう。今度は天橋立の上を、徒歩で渡る予定です。

天橋立桟橋から海沿いの砂利道を歩いていきます。右側には日本三文殊の1つに数えられる智恩寺があり、立派な三門をみることができます。三門を過ぎると商店街あり、すぐの道を左へと曲がります。

曲がってすぐに見えるのは、赤い欄干の橋。これは廻船橋といい、船が通るときに90度回転する珍しい橋です。 橋を渡ってさらに先に進むと、そこはもう天橋立です。

E.天橋立を歩く

今度は、これまで眺めるだけだった天橋立の内部を歩いていきましょう。

天橋立の全長は約3.6km。向こう岸まで徒歩で歩くと50分程度かかります。ゆったりと進んでいきましょう。体力に自信がない場合はレンタサイクルを借りるのもおすすめです。

天橋立の中を歩くと、長く続く美しい松並木と砂浜が目に入ります。それらを眺めながら、天橋立の伝説に思いを馳せましょう。

8世紀に成立した「丹後国風土記」には、天橋立の伝説の1つが書かれています。

「神代の時代、天に住むイザナギノミコトが眞名井神社に住む妻・イザナミノミコトの所に通うため、天から長い梯子を地上におろした。しかし、イザナギノミコトが寝ている間に梯子が倒れてしまった。その梯子こそが、天橋立である」

イザナギノミコトとイザナミノミコトといえば、日本の国土の基本を作り上げた重要な夫婦神。その二柱が会うためだけの梯子が天橋立とは、なんともロマンティックな話です。

天橋立を歩いていくと、道中に色々な石碑や記念碑が見られます。松尾芭蕉や与謝蕪村など誰もが知っているような句碑もありますので、興味があれば覗いていきましょう。途中にある天橋立神社は小さいながらもパワースポットとして有名で、ぜひ参拝しておきたい場所の1つです。

天橋立内には、休憩所やトイレが点在しています。疲れたら休憩をして、景色をゆったり眺めましょう。潮風に当たっている間に、疲れがとれていくはずです。

最後に、天橋立の北側にある双竜の松を見て、散歩の終わりにしましょう。

双竜の松は、元々天橋立に立っていた有名な松の木でした。しかし、平成16年に日本を襲った台風23号の被害により倒れてしまったのです。そしてその姿のまま、保存されています。

双竜の松はとても巨大で、こんな大木を倒してしまう台風の恐ろしさをひしひしと感じます。また、同じ台風のとき、天橋立では247本もの松の木が倒れてしまったとされています。

そのまま少し歩くと、船にのった一の宮橋に通じる道に出ます。今回もお疲れ様でした。

京都散歩 神話の息吹を感じる天橋立 ルートおさらい

A.(スタート)天橋立ケーブルカー・リフト
↓ ケーブルカー・4分/リフト・6分
B.天橋立傘松公園
↓ 71m
C.元伊勢籠神社
↓ 84m
D.天橋立観光船・一の宮駅
↓ (天橋立桟橋まで)12分
E.(ゴール)天橋立
(天橋立北側まで)3.6km

京都散歩 神話の息吹を感じる天橋立の公式サイト

・天橋立ケーブルカー・リフト 丹後海陸交通株式会社 公式サイト:こちらから

・天橋立傘松公園 天橋立観光協会 公式サイト:こちらから

・元伊勢籠神社 公式サイト:こちらから

・天橋立観光船 丹後海陸交通株式会社 公式サイト:こちらから

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