今出川 ~吉田地区 今日のぶらりさんぽ 京都
今回散歩していくのは、京都市左京区の南部に位置する今出川通から吉田地区にかけて。
今出川通と吉田地区は、名高い京都大学があることで知られ、学生の街として有名です。またそれと同時に由緒ある寺社仏閣が多く立ち並ぶ、歴史の街でもあります。そんな学生と歴史に彩られた京都の街を、ゆっくり散歩してみましょう。
今出川 ~吉田地区散歩スタート!
A.岡崎道のバス停
今回は、丸太町通の東の端に位置する「岡崎道」のバス停から散歩をはじめていきましょう。
岡崎道のバス停は閑静な住宅地のほど近くでありながら、有名な平安神宮や哲学の道にも歩いて行ける程の好立地。
京都観光をこの地で始めるのも楽しいものです。丸太町通を少し西に歩き、岡崎通を南に下がれば、うどんやオムライスの名店も軒を連ねています。
しかし今回は、岡崎道を北へと入っていきましょう。突き当りを東に(右に)少し歩けば、すぐに立派な門が見えてきます。これが、地元の人から「黒谷さん」として親しまれている「金戒光明寺」です。
B.金戒光明寺
黒谷さんこと「金戒光明寺」は、鎌倉時代に法然上人によって開かれたお寺です。
時代劇の撮影にも使われる山門や本堂は素晴らしく壮大なもので、初めて見る人を圧倒させます。
運慶作と言われる文殊菩薩像や、徳川家光の乳母である春日局の供養塔なども見ていきましょう。
これほどの見どころがありながらも、黒谷さんの普段は静かなもの。多くの観光客にもまれることもなく、ゆったりとした気持ちで境内を散歩することができます。人気のアフロヘアーの石仏は、階段の横にいらっしゃいます。
また、黒谷さんは新選組発祥の地でもあります。会津藩主の松平容保がここに壬生浪士組を抱え、ここに本陣を置いたからです。壬生浪士組は後に、新選組へと変わっていきます。
公式ホームページ:浄土宗大本山 くろ谷 金戒光明寺
C.真如堂
黒谷さんの北門からさらに北に進むと、左手側に美しい赤い門が見えてきます。この門が、真如堂の総門。これをくぐってお寺の中に入っていきましょう。
真如堂の正式な名前は、本当の極楽を表す「真正極楽寺」。平安時代に開かれて以来、多くの女性からの信仰を集めてきました。女性守護のご利益があるとされる阿弥陀如来立像は、重要文化財にも指定されています。
また、真如堂は安倍晴明とも関係があるとされています。真如堂に奉られている不動明王が、安倍晴明の屋敷にあったものだと言われているのです。
秋には鮮やかな紅葉が見られる真如堂ですが、それ以外の季節も花や木々で美しいもの。本堂や庭園に入るには拝観料が必要ですが、それだけの価値はあるでしょう。
公式ホームページ:鈴聲山真正極楽寺
D.吉田神社・大元宮
真如堂の後は、ゆったりと吉田山を登っていきましょう。低い山のため、普段の格好で大丈夫です。
真如堂の山門を出てまっすぐ進むと、「宗忠神社」が見えてきます。宗忠神社では、逆立ちをする狛犬が迎えてくれます。この狛犬は珍しいもので、道すがら参拝していきましょう。運が良ければ、可愛らしい白い犬(本物)を見ることもできます。
そして、宗忠神社の境内を進んでいくと、多くの鳥居が立ち並ぶ場所に出ます。鳥居を右手に見ながら進むと、八百万の神々を祀る吉田神社・大元宮が見えてきます。
坂道を下りきると、吉田神社が見えてきます。
E.吉田神社
神社です。京都(つまり都)そのものを守護するための神社であるため、京都人、特に神社がある左京区民にとっては、かなり身近な神社です。
本宮は4棟の社殿が並ぶ、少し珍しいもの。勇壮な神様であるタケミカヅチノミコトをはじめ、4柱の神様が祀られています。開運や厄除け、学問、良縁など、様々なご利益があるとされています。
吉田神社の境内には、簡単な休憩所があります。お参りやおみくじを楽しんだ後、少し休憩していきましょう。横には自販機があるため、喉が渇いていても大丈夫です。
吉田神社は、京都の隠れた名神社の一つです。基本的に静かでありながら、神聖で清々しい空気を感じることができるはずです。時には、可愛らしい園児たちのお散歩に出会うこともあります。
しかし、吉田神社がその本領を発揮するのは節分の時。年に3日、節分祭が催されるのです。節分祭は古くから続く祭りであり、出店も多く、活気に満ちたもの。
吉田神社は普段の散歩コースにピッタリですが、時には、こうした雰囲気を感じるのも良いものです。
公式ホームページ:吉田神社
F.京都大学
吉田神社に続く坂道を下りて大きな鳥居をくぐると、すぐ右手に京都大学が見えてきます。散歩の締めとして、京都大学の中、特に時計台を中心に見てきましょう。
大学の中に入るのは……、と躊躇してしまうかもしれません。しかし、京都大学の吉田キャンパスは一般の人にも開放されています。教室棟など立ち入り禁止の所に入らないようにすれば、学食などの利用も可能です。
京都大学の門を入ると、正面に大きな時計台が見えてきます。
この時計台は、京都大学を象徴するもので、大正14年に建てられた歴史あるものです。「京都大学と言えば……」と、この建物を思い浮かべる人もいることでしょう。
時計台は現在、「百周年時計台記念館」として一般に公開されています。中には歴史展示室やカフェやフレンチレストラン、ショップなどがあり、全て利用することができます。少し疲れた体を、カフェで癒すのも良いでしょう。
一番のおすすめは、1階にある京大ショップ。京大に関わるグッズや書籍などを購入することができます。お散歩の最後に、一風変わったおみやげを購入するのはいかがでしょうか?
G.(ゴール)京大正門前のバス停
京大の正門から出て右手に進み約5分、東大路通に出ると京大正門前のバス停があります。このバス停からは、京都駅や四条河原町など京都市の中心部に行くバスの他、もっと北部に行くバスにも乗ることができます。
バス停から少し北に進むと、飲食店が立ち並ぶ百万遍の交差点があります。もしお腹がすいていれば、少し足をのばしてみましょう。京大生に交じって食事をするのも、京都散歩の醍醐味です。
今出川 ~吉田地区散歩 コースのおさらい
A.(スタート)岡崎道のバス停
↓ 岡崎道経由で350m
B.黒谷さん・金戒光明寺
↓ 北門から80m
C.真如堂・真正極楽寺
↓ 400m…距離的には近いものの、坂道多数
D.吉田神社・大元宮
↓ 200m
E.吉田神社
↓ 350m
F.京都大学・時計台
↓ 400m
G.(ゴール)京大正門前のバス停
合計1.8km(お寺や神社内の移動は含まず、坂道が多いため、時間的に余裕を持つことがおすすめです。)