神楽坂 今日のぶらり散歩
神楽坂 は、かつて花街として発展し、現在も4つの料亭と20名ほどの芸者さん、見番と呼ばれる組合事務所で運営する、東京六花街の一つです。年々料亭やお茶屋さんも減っていますが、まだまだ面影を感じる横丁と坂の町、神楽坂 をぶらり散歩します。
神楽坂 の散歩 今日のコース
A.江戸城外堀跡を見下ろす「JR飯田橋駅」
B.神楽坂のメインストリート「神楽坂通り」
C.芸者衆の手配を行う組合が名前の由来「見番横丁」
D.芸者さんが銭湯への行き来に使ったことが由来「芸者小道」
E.縁日発祥の地「毘沙門天 善國寺」
F.石畳にハート型が隠れている「かくれんぼ横丁」
G.多くの作家が訪れたホン書旅館があった「兵庫横丁」
H.小高い山の上にひっそりと佇む「筑土八幡神社」
I.グッドデザイン賞受賞の「赤城神社」
J.神楽坂通りの町並みを見通す「神楽坂駅」
A. 神楽坂 の玄関口 飯田橋駅
2021年リニューアルされたJR飯田橋駅西口の「史跡眺望テラス」からは隣接する「牛込見附跡」と「江戸城外堀跡」を上から眺めることができるようになりました。
「牛込見附」は江戸城にあった36か所の城門のひとつで、神楽坂近辺に居を構えていた旗本武士らが登城する際に利用する門でした。寛永16(1639)年に築造された門の石垣が今でも残されています。
B. 神楽坂 通り
西口を出ると右手正面に神楽坂通りが見えます。外堀通りの信号を渡ると、神楽坂下です。
神楽坂通りは、外堀通り神楽坂下交差点から神楽坂上交差点の先の地下鉄 神楽坂 駅まで続く、神楽坂のメインストリートです。
チェーン店から老舗の店まで、両脇にお店がびっしりと並んでいます。
紀の善ー閉店
通りを入るとすぐに老舗の甘味処「紀の善」がありましたが、閉店してしまいました。
残念ですが、がっかりしないように記載しておきます。
大勢の人で賑わう、賑やかな通りの坂をしばらくのぼります。
両側には魅力的な路地が伸びています。メインの通りを外れて、左に曲がり路地裏へ入ってみます。
C.神楽坂 の横丁「見番横丁」
小さな稲荷神社を過ぎると、横丁の名前の由来でもある「見番」、東京 神楽坂 組合です。芸者を取りまとめる事務所で、2階の稽古場からは三味線の音が聞こえたらラッキー。
見番横丁から続く小道から熱海湯へ続く階段までが芸者小道です
D.神楽坂 の横丁 芸者小道
雰囲気のある佇まいからテレビや映画でもたびたび登場するロケ地としても有名です。石段と石畳の脇道があちこちに伸びて、小さなレストランや隠れ家のようなバーがありますが、少しずつ雰囲気のあるたてものが減っています。
熱海湯
熱海湯階段を降りると小栗横丁に出ます。この右角にある熱海湯は、1973年開業の昔ながらの銭湯で、かつては芸者さんなど1日1000人も訪れたそうです。
神楽坂 通りに戻り、もう少し坂を登ります。
E.毘沙門天(びしゃもんてん) 善國寺(ぜんこくじ)
善国寺は 神楽坂 のシンボル的存在で、地元の人からは「毘沙門様」と呼ばれています。1595年に、徳川家康から寺地を拝領し、日本橋馬喰町に創建。麹町を経て、寛政4年(1792)にこの地に移転されました。
御本尊である毘沙門天は、古くよりインドで信仰されていた財宝の神。そのため、金運や、開運厄除けの福運を授かるとして、多くの人から信仰を集めています。
毘沙門天を起源とする「虎の日の縁日」は、大変賑やかで、東京の縁日発祥の地といわれています。
神楽坂 通りを渡って善国寺の正面の本多横丁へ入り、右に曲がるとかくれんぼ横丁です。
F.神楽坂 の横丁 「かくれんぼ横丁」
道の名称には「花街にお忍びで来た要人のあとを付けても、ひとつ路地に入られるとわからない」というのが道の名前の由来。
石畳の通りと黒塀に囲まれた料亭を歩いていると、昔ながらの花街の風情がしのばれます。
かくれんぼ横丁から軽子坂を登ると兵庫横丁です。
G.神楽坂 の横丁「兵庫横丁」
石畳と黒壁、老舗の料亭が立ち並ぶ細い路地が伸びています。雰囲気のある通りは、映画やテレビ番組のロケにもよく使われ、東京都新宿区景観賞を受賞しています。神楽坂の中でも最も古い道の一つで、かつての鎌倉古道の要衝であり、戦国時代に武器商人が住み、「兵庫」(武器を入れておく倉庫)があったことから「兵庫横丁」の名がつきました。
うお徳
「うお徳」は尾崎紅葉や泉鏡花も利用した料亭です。
神楽坂 花街の面影を残す石畳の小路。通り沿いには料亭「幸本」や,かつてホン書き旅館を呼ばれた「和可菜」もありました。
兵庫横丁をまっすぐ抜けると、大きな大久保通りに突き当たります。
H.筑土八幡神社
9世紀の創建当時、天台宗の開祖である最澄が参拝したと伝えられています。現在は九段下に移転しましたが、江戸時代には隣接して筑土明神があり、、『江戸名所図会』でも描かれているように、参拝客で賑わったそうです。
大久保通りを、神楽坂上まで戻り、神楽坂通りの商店街に入ります。スーパーやカフェなどこの辺りに住む人の日常が垣間見えます。
I.赤城神社
正安2年(1300年)、群馬県赤城山麓の大胡の豪族であった大胡彦太郎重治が牛込に移住した時、本国の鎮守であった赤城神社の分祀したのが始まりと言われています。
1683年、徳川幕府は日枝神社、神田明神、赤城神社を江戸大社に加え、「江戸三社」と称して牛込の総鎮守として崇敬を集めました。
その後、幾度となく火災や戦火により消失を繰り返し、現在の社殿は2010年に竣工しました。非常に洗練された現代的なデザインが特徴は、隈研吾の設計によるもので、2013年には神社としては非常に珍しくグッドデザイン賞を受賞しています。
J.(ゴール) 神楽坂 駅
参道から 神楽坂 駅までは目と鼻の先。これで今日の散歩は終わりです。
神楽坂 散歩マップ
A.(スタート)JR飯田橋駅
↓ 17m
B.神楽坂通り
↓ 220m
C.見番横丁
↓ 50m
D.芸者小道
↓ 190m
E.毘沙門天 善國寺
↓ 260m
F.かくれんぼ横丁
↓ 190m
G.兵庫横丁
↓ 350m
H.筑土八幡神社
↓ 800m
I.赤城神社
↓ 32m
J.(ゴール) 神楽坂 駅
合計2.1km(施設内の移動は含みません)
神楽坂 の大人の夜散歩の楽しみ方
黒光する石畳を歩く
石畳は、江戸時代にこの地域に作られたもので、当時の建築物と共に町の風景を彩っています。夜の石畳は周辺の料亭のほんのりとした灯りに照らされ美しく光り、靴の踵によってさまざまな足踏み音が美しい音色を奏でます。
神楽坂の石畳は、その美しさから多くの映画やドラマのロケ地としても使用されています。昼間だけでなく夜のしっとりとした雰囲気を楽しんでください。
ぼんやりとしたネオンのかかる横丁を歩く
神楽坂は文豪・夏目漱石のゆかりの地でもあることから、漱石の作品「みちくさ」にちなんで「みちくさ横丁」と名付けられた通りがあります。
”おしゃれなレトロ感漂う町”とは異なり、昭和感丸出しの路の路地で、30メートルほど短いの袋小路にスナックやジャズバーなどが並び、出入りする人を直視できない雰囲気です。
探検気分でどうぞ。
狭い階段を歩く
神楽坂の裏道は、住宅のようなビストロや、雑居ビルにカフェなど知らなければ入るのに勇気のいるようなお店がたくさんあります。けれど、狭い階段を登ったり降りたりして、思い切って扉を開けてみると拍子抜けするほど気軽な雰囲気で楽しめ、大人になった気持ちになります。
神楽坂 散歩は大人のデートにぴったり
神楽坂の散策は、大人のデートにぴったり。
ランチやお茶を楽しむ昼間のデート、ディナーやお酒を楽しむ夜のデートなど、時間帯によって表情が変わる大人の町です。
おすすめは、明るいうちに神楽坂町散歩を楽しみ、夜は早めに隠れ家的なビストロでディナー、もう1軒バーに立ち寄り、お堀を散策しながら駅に戻るというコースです。
または、他のエリアと組み合わせて、武道館でのコンサートや東京ドームシティでの遊園地の後に神楽坂を訪れるのも、落ち着いた雰囲気の中でデートを締めくくるにはぴったりです。