和歌山市加太にある「 淡嶋神社 」は、全国の淡嶋神社の総本社です。
”雛流し神事”で有名な「 加太(かだ) 淡嶋神社 」のいわれ
神功皇后(息長足姫命)が三韓出兵からの帰りに嵐にあってしまい、船の中で神様にお祈りすると「船の苫(とま)を海に投げ、その流れのままに船を進めよ」とお告げがあり、その通りにすると島にたどり着きました。
たどり着いたのは「友ヶ島」で、少彦名命(すくなひこなのみこと)と大己貴命(おほなむじのみこと)がお祀りされていました。皇后様は助けてくれたお礼に持ち帰った宝物をお供えしました。
後に神功皇后の孫にあたる仁徳天皇が狩りをするため友ヶ島に行かれた時に話を聞き、島では何かと不自由だと思われ対岸の加太に社殿を建てたのが始まりと言われています。
御祭神のひとり「少彦名命(すくなひこのみこと)」は”医薬の神様”で、特に女性の病気回復、安産、子授けなどにご利益があるとして「女性のための神様」として信仰されました。
淡嶋神社の御守りを身に着けておけば「下半身の病気にならない」と言われ、境内の末社には「下着」を納めることで病気平癒を祈願する習わしがあります。
そのため、今では全国からパンツを奉納に来る女性が多数いるのだそうです。
毎年三月三日にお雛様を小さな白木の船に乗せて多くの参拝者が見守る中加太の海へ流す「雛流し神事」でも有名な『淡嶋神社』。
神社から御流し場までは女性が運びます。小船が海に流される光景は、もの悲しさや成長を見守ってくれた雛人形に対しての感謝など人それぞれ色々な思いがあるのでしょう。
和歌山 「 加太 淡嶋神社 」の見どころ
御朱印
「淡嶋神社」では神社名から日付まで全てスタンプの御朱印となっています。
授与所にていただく訳ですが、”御朱印帳”の押してほしいページを開いて渡すとすぐに押印してくださいます。
「淡嶋神社」では”御朱印帳”の販売もされています。
雛祭り発祥の地
ひな祭りは、御祭神である「すくなひこのみこと」様のお祭りがひなまつりになったとの説もあります。
三月三日は、友ヶ島から加太へ御祭神をお迎えした日だと言われています。
紀州徳川家では、姫君の初節句には一対の人形を奉納する習慣があり、10代藩主、治宝(はるとみ)公は、姫や腰元が遊んだ道具を納める雛蔵を造り、代々納めてきました。今は宝物殿に納められています。
「女性のための神様」だけあって、かわいい御守り、ハートの絵馬など色々な種類もあり、手ぬぐいや入浴剤など限定グッズも売っています。
人形の供養
拝殿にはたくさんのお人形が並んでいて、神秘的で、幻想的な雰囲気があります。
目があるものには魂が宿ると言われることもあり、色々な思いもあるお人形やぬいぐるみ等をゴミとして捨てることを躊躇する人も多いかと思います。
こちらの神社へ持って行けば供養してもらえます。
江戸時代の豪商「紀伊国屋文左衛門」ゆかり
何度も嵐に会いながらも紀州(和歌山県)から江戸にみかんを運んだ話が有名な一代で巨万の富を築いた紀伊国屋文左衛門は、江戸に移り住む前に、今の和歌山県湯浅で生まれたこともあり、お稲荷さんを奉納しました。
「紀文の帆柱」は、みかん船の帆柱で、願い事を唱えながら、柱の穴をくぐると願い事が叶うと言われています。
「天空の城ラピュタ」を思わせる島を散策してみませんか
友ヶ島は、紀淡海峡に浮かぶ沖ノ島をはじめとする島々の総称で、沖ノ島には、コバルトブルーの海と白い洋式灯台とのコントラストも美しいです。
第二次世界大戦の時の砲台跡や展望台などを見ることができ、島の中央部には、400種類もの湿地帯植物が群生しています。
歴史も古く役行者(えんのぎょうじゃ)に始まる修験道にまつわる史跡や行場も現存しています。
自然と人工物が共存している島で、自然の美しさと建物の何とも言えない侘しさを感じることができるかもしれません。
「淡嶋神社」の参道には、数件のお店があり、お土産だけではなく、新鮮で美味しい食事をすることもできます。
春から初夏は潮干狩り、夏は海水浴と海遊びや釣りを楽しめます。温泉もあり、日常を忘れてのんびり過ごすこともできます。