東京都港区にある 愛宕神社 は、登り切ると出世すると言われている石段「出世の石段」で知られています。自然の地形としては23区一の高さを誇る愛宕山(標高26㍍)にあり、自然に囲まれた都心とは思えない雰囲気の神社です。JR新橋駅や東京メトロ虎ノ門駅から近いオフィス街にあるため、ランチタイムには近隣で働く人々でにぎわいます。四季折々の自然を味わうことができ、都心の中にぽつりと残ったオアシス的な存在である愛宕神社をご紹介します。
愛宕神社 の歴史
1603年、徳川家康の命によって防火の神様として祀られたのが始まりです。その後、江戸大火災で全焼しましたが、明治時代に入り再建されました。1923年の関東大震災、1945年の東京大空襲など、災害や人災のたびに多くが焼失しましたが、再建されて今に至っています。
社殿で祀られているのは「火産霊命(のむすびのみこと)」です。火の神様である火産霊命は、防火のご利益があると言われています。
現在のように高層ビルが建ち並ぶ前の江戸時代には、山頂から東京湾や房総半島までを見渡すことができたと言われており、見晴らしの名所として見物客で賑わいました。
愛宕神社 のご利益
出世の石段
大鳥居から社殿まで続く急な階段が出世の石段と呼ばれるようになったのは、講談の「寛永三馬術」の中に出てくる曲垣平九郎(まがきへいくろう)の逸話が元になっています。
ある日、徳川家康が愛宕神社本殿に咲く見事な梅の花を馬に乗って取ってくるよう命じたところ、急こう配の石段を前に多くの人が失敗する中、曲垣平九郎が成功し、その名を轟かせたことが由来だそうです。馬に乗って登り切ると出世するという話が現代にも残り、出世の石段として知られるようになりました。
江戸以降にも男坂を馬で登り降りすることにトライをして、成功している人が数人いるそうです。
下から見上げると思わず息を飲んでしまうほど迫力のある石段ですが、石段の脇には、社殿の脇に繋がっているエレベーターも備わっています。足が不自由な方や階段が不安な方はそちらを使って参拝することができます。
また、階段脇には上りやすい坂道もありますが、パワースポットと言われる神社の魅力を肌で感じたい方は、石段がおすすめです。
愛宕神社 の見どころ
丹塗りの門
石段を登ると、社殿の入り口にあたる大きな朱塗りの門が「丹塗りの門」です。徳川家ゆかりの葵の御紋が記された大きな門には、ほおずき市の時には茅の輪が設置され、これをくぐると災いを避けられるといいます。
招き石
丹塗りの門をくぐってすぐ左手を見ると、不思議な形をした石が置かれています。招き石と呼ばれるこの石は、撫でると福を招くという隠れたパワースポットです。
池と弁財天社
境内の池は「児盤水(こばんすい)の滝」と呼ばれる名水が湧き出たとされる池です。この池と愛宕神社で祈願した武将が、神様の加護により戦を鎮めたという言い伝えもあります。池の周辺には木々が植えられ、春に咲き誇る花や、秋の鮮やかな紅葉といった、季節ごとの自然が織りなす景色を楽しめます。
池のすぐ隣には、財運や金運の神様といわれる市杵島姫命(いきしまひめ)を祀る弁財天社があります。
3つの末社
社殿の右手にあるのが「太郎坊社」と呼ばれるパワースポットです。猿田彦神(天狗様)を祭神とする末社です。
太郎坊社の隣、赤い鳥居の連なる先にあるのが「福寿稲荷社神社」です。「宇迦御魂神(うかのみたま)」と呼ばれる神が祀られていて、商売繁盛の神様として知られています。
福寿稲荷社神社の隣には、大國主命、事代主命を祭神とする末社「大黒天社」もあります。
愛宕神社は京都、福岡にも
日本三代愛宕
愛宕神社は、東京のほか、京都と福岡にあり、日本三大愛宕と言われています。
京都府京都市右京区にある愛宕神社は、総本社・総本山であり、愛宕信仰発祥の地です。愛宕信仰は、防火の神様です。
愛宕神社は三社とも全て「山」にあるのが特徴です。
愛宕神社 へのアクセス
愛宕神社 所在地
所在地:東京都港区愛宕1-5-3
TEL: 03-3431-0327
最寄駅:
東京メトロ日比谷線「神谷町駅」より徒歩5分
東京メトロ日比谷線「虎ノ門ヒルズ駅」より徒歩5分
東京メトロ銀座線「虎ノ門駅」より徒歩8分
都営三田線「御成門駅」より徒歩8分
JR「新橋駅」より徒歩20分
愛宕神社 参拝用の無料駐車場
愛宕神社の公式サイトに記載はありませんが、6台ほどが停められる駐車場があります。空いていれば無料で停める事が可能です。周辺にはコインパーキングが複数ありますが、再開発中のエリアのため頻繁に変わります、ご注意ください。
愛宕神社の公式サイト
お出かけの際には、公式サイトをご確認いただくことをお勧めします。
公式サイトは こちら