東京都庭園美術館 は東京都港区白金台にある都立美術館です。1906年(明治39)に創立された宮家である朝香宮ご夫妻のお住まいでした。ご夫妻がアール・デコの美に魅せられ、こだわり尽くした旧朝香宮邸、「 東京都庭園美術館 」をご紹介します。
東京都庭園美術館 の特徴・建築
東京都庭園美術館 は東京都港区白金台にある都立美術館であり、旧朝香宮邸とも呼ばれています。1983年に開館した美術館そのものが美しい理由は、近代西洋の建築様式であるアール・デコと呼ばれる装飾で統一されているからです。モダンで優美な品のある様子は、美術館の内装すべてに巡らされています。
西洋の雰囲気を反映させた建物は「幻の建築」や「アール・デコの美術品」と称され、2015年には後世に伝えるべき名建築として、国の重要文化財に指定されました。都心にあるとは思えない自然豊かな場所にたたずむ 東京都庭園美術館 は、近代西洋のロマンあふれる雰囲気で人々を魅了しています。
正面玄関
正面玄関の注目ポイントは、ガラスレリーフの扉です。フランスのガラス工芸家であるルネ・ラリックの作品であり、東京都庭園美術館のためにデザインされました。翼の生えた女性像からは神聖さを感じられます。
大客室
大きな窓から降り注ぐ、やわらかな日の光で照らされた室内は、アール・デコの雰囲気とあいまって温かみのある空間。東京都庭園美術館のなかで一番アール・デコの美しさを体感できるエリアが大客室です。
上を見上げると、豪華なシャンデリアを囲むように、漆喰仕上げの円や石膏で作られたジグザグ模様がデザインされ、高級感と品を感じられます。
大食堂
大客室の隣にあるのが大食堂であり、大きく円を描くように室内が設計されています。窓からは南にある庭園を望むことができ、解放感のある空間。食事をする場所ということもあり、所々に食べ物をモチーフとしたデザインがされていることが特徴です。
ガラス扉には果物、ラジエーターカバーには魚貝、照明にはパイナップルとザクロをモチーフとしたデザインが施されています。
書斎
一見丸く円のように設計されているような空間ではありますが、実は四隅に飾り棚を置くことで室内を円形のように見せています。ドーム型の天井からはぬくもりを感じる照明が配置され、落ち着きのある空間。明るすぎず心を落ち着かせてくれる、ほかとは違った雰囲気が漂う場所です。
庭園・茶室
東京都庭園美術館は建物の美しさだけではなく、緑豊かな庭園と日本の風情を感じる茶室も見どころです。庭園は3つに分かれていて、先ほどご紹介した大食堂から見えるのは、芝生で覆われた芝庭。東京都庭園美術館を見守るように大木が植えられ、夏にはちょうどよく木陰が作られます。
池の近くにある日本庭園は、起伏に富んだ景観が特徴。秋には紅葉が見られるエリアです。隣にある茶室を望みながらの紅葉を観賞していると、歴史の趣を肌で感じられます。
少し離れた場所にある西洋庭園は、樹木を整備して開けた空間です。春になるとワシントン桜が見られ、舞う花びらに酔いしれます。
アール・デコのクラシカルな雰囲気を堪能しながら、外に広がる和を感じられる東京都庭園美術館。タイムスリップをしたかのようなワクワク感と、煌びやかで優雅な時間をすごせるスポットです。
東京都庭園美術館 へのアクセス
所在地:東京都港区白金台5-21-9
TEL: 03-3443-0201(代表)10:00-18:00
東京都庭園美術館 の公式サイト
東京都庭園美術館 の公式サイトは こちら