ぶらり散歩で身近な日本史

神社仏閣

下鴨神社 糺の森

京都の鴨川と高野川の合流地点に、糺の森(ただすのもり)の中に、『下鴨神社(賀茂御祖神社・かもみおやじんじゃ)』が静かにあります。

広大な森と敷地は、まさに京都のオアシスといった感じです。

下鴨神社(賀茂御祖神社)の歴史―秦氏ゆかりの地と世界文化遺産―

下鴨神社(正式名称は賀茂御祖神社)』は、長年京都の人たちに愛されてきました。
その歴史は古く、祟神天皇(すじんてんのう)7年の紀元前90年に、すでに神社の端垣の修造が行われていたといわれており、京都にある社寺の中でも古い神社のひとつです。

また、賀茂氏ゆかりとしても有名です。
賀茂氏は、平安京に移る前からこの地に住み、天皇家に仕えてきました。
聖武天皇の病気治癒の際には、奈良から使者が下鴨神社に祈願しに来たという記録が残っています。

下鴨神社の御祭神は、「賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと)」と「玉依媛命(たまよりひめのみこと)」です。

この神々は、国家国民の安穏と世界平和を祈願する守護神であると同時に、厄除、縁結び、子宝、安産、子育て、交通安全など私たちの暮らしを守る神々でもあります。

このような歴史を持つ下鴨神社は、平成6年(1994)には、世界文化遺産に登録され、京都の観光スポットとして、世界中の方々が訪れる場所になっています。

見どころと新スポット―「葵祭」とラグビーの聖地「さわた社」!?―

下鴨神社』の見どころといったら、やはり、毎年5月に行われる「葵祭」です。
この祭りは、約1400年前の凶作による飢餓疫病をなくすために、欽明天皇が「鴨の神」の祭礼を行ったのが起源とされています。

優美な平安貴族の衣装を身にまとった行列は、京都御所を出た後、下鴨神社を通り、上賀茂神社へと向かって、ゆっくり進んでいきます。
途中何回か中止があったものの、1400年にもわたって続けられてきたこの祭りは、京都の長い歴史と伝統を感じます。

葵祭は、今では、祇園祭と時代祭を合わせて「京都三大祭」のひとつとされ、毎年多くの市民や観光客が集まるお祭りになっています。

下鴨神社』に最近できた新たなスポットがあります。それが「さわた社」です。
「さわた社」は、かつて「糺の森」の中にあった「第一蹴の地」石碑の隣にあり、戦後解体され、摂社三井神社に合祀されていました。
その後、平成27年(2017)の第34回式年遷宮の一環として再興された新しい神社です。
この神社で祀られているのは「神魂命(かんたまのみこと)」で、蹴鞠の神様の先祖とされています。

下鴨神社』はもともと蹴鞠で有名でしたが、令和元年(2019)にラグビーワールドカップが日本で開催されることから、さらに注目が高まりそうです。
境内には、ラグビーボール型の絵馬が飾られ、神社の鈴もラグビーボール型です。

良縁を祈願する人のおみやげ―世界でひとつだけのお守り―

 『下鴨神社』は、縁結びの神様としても有名です。
相生社(あいおいのやしろ)には、ご神木の「道理の賢木」(れんりのさかき)が祀られています。
「道理の賢木」は、2本の木が1本に結ばれ、その根元に子供の木が芽生えています。

このことから、古くから縁結びや安産、育児、家庭円満などをご利益があると言われています。
相生社の隣のお土産物屋には、おみくじや様々なお守りが置いてあります。

その中でも、ちりめん生地で一つ一つ手作りされた、世界でひとつだけのお守りが参拝客に人気です。
お守りには、男性用の「彦守」と女性用の「媛守」があり、どちらも自分の好きな柄を選ぶことができます。

下鴨神社 へのアクセス

〒606-0807 京都府京都市左京区下鴨泉川町59

・JR「京都駅」から「下鴨神社前(もしくは糺ノ森前)」まで市バス4番・205番
・京阪出町柳駅から徒歩12分

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