【 京都散歩 】歴史とサブカルの京都散歩・二条城から烏丸御池を歩く
古くは都として栄え、世界的にも人気が高い街・京都。歴史的な街並みや文化に気を取られがちですが、その実、サブカルチャーの発信地でもあります。
今回散歩していくのは、国内外から多くの観光客が集まる二条城から烏丸御池にかけて。この辺りは観光地ではあるものの、意外と知られていない穴場スポットがある場所です。
今回は京都の歴史とサブカルチャーに焦点を当てながら、ゆったり歩いて行きましょう。
京都散歩 今日のルート 二条城から烏丸御池を歩く
A.(スタート)京都市営地下鉄 二条城前駅
B. 二条城
C. 神泉苑
D. 京都国際マンガミュージアム
E.(ゴール)京都市営地下鉄 烏丸御池駅
京都散歩 スタート 二条城から烏丸御池を歩く
A. 京都市営地下鉄 二条城前駅

今回の散歩の始まりは、最初の目的地のすぐ近く、京都市営地下鉄東西線の二条城前駅です。二条城の南側にある押小路通に面しており、住宅地と巨大なお城の対比がおもしろい場所になっています。

駅を出て堀川通を北に、お堀の横を歩きながら、二条城を目指しましょう。非常に歩道が広いため、観光客が大勢いてもゆったりと歩けます。
大きな歩道沿いを北に向かって進んで行くと、左手に二条城の受付があります。
B. 長い歴史を見守って来た京都の平城・二条城

歴史の授業で習った「大政奉還」という言葉を覚えていますか?大政奉還を大まかに説明すると、江戸幕府最後の将軍である徳川慶喜が、政権を朝廷に返上したことを指します。そして、その舞台となったのが、最初の目的地である二条城です。
二条城の竣工は1603年(慶長8年)。徳川家康が征夷大将軍に任じられたおり、その居城として築かれました。その後、3代将軍の家光の時代に大改修を行い、今と同じ姿になったとされています。

日本の歴史の重要な局面を見続けてきたお城・二条城。たっぷり散策していきましょう。
受付を済ませ、最初に目に入るのは東大手門です。重要文化財に指定されており、1662年に建てられました。そして、桃山文化の薫りを感じる唐門をくぐると、目の前には国宝・二の丸御殿が!


二の丸御殿はチケットを購入することで、中も見学できます。時間に余裕があれば、ぜひ見学していきましょう。特に、大政奉還の舞台となった大広間や、来殿者の控室・遠侍が見どころです。そこかしこの壁やふすまが力強く美しい絵で装飾されており、重厚な日本の歴史を感じられます。

二の丸御殿の後は美しい日本庭園が広がる二の丸庭園へ。その後は本丸御殿へと続いていきます。本丸御殿の見学には予約が必要ですので、興味がある方は事前予約を忘れないようにしましょう。

二条城の敷地面積はかなり広く、ぐるりと回るだけでも疲れてしまうかもしれません。そんなときには、休憩所が各所にありますので、一息入れていきましょう。
御殿や美しい庭園を見終わったら、次の目的地へ向かいます。最初に入った受付の所から外に出て、南の方へ。2つ目の信号を右に入ると、少し細目の御池通に入ります。そのまま進み、信号を超えた右手側に、次の目的地である神泉苑が見えてきます。

二条城
〒604-8301 京都府京都市中京区二条城町541
公式サイトはこちらから
C. 平安の薫り漂う神泉苑
日本特有の文化が花開いた平安時代。神泉苑は、そんな優美な時代の薫りを今に残す場所です。

神泉苑の歴史は794年の平安遷都のころまでさかのぼります。京都に都を移す際、禁苑(天皇の庭園)として造られたのです。宮中の行事や宴遊などで利用されていました。先ほど通った御池通りは、この神泉苑の敷地内にある池が名前の由来となっているとも言われています。
転機となったのは、日本中が日照りで苦しんだ824年のこと。空海と守敏の祈雨(雨ごい)勝負で、善女竜王を勧請した空海が勝利しました。これ以来、神泉苑の池には善女竜王が住み、祈雨の道場となったとされています。
「神仏習合」という言葉を、学校で習った覚えがある人は多いことでしょう。その名残を、神泉苑でははっきりと見ることができます。

平安の雰囲気を色濃く残す神泉苑。華やかな時代の薫りを味わいながら、境内を見て回りましょう。
神泉苑は比較的こぢんまりとしており、見回るのにそれほど時間を要しません。しかし、境内の中は古都らしい色濃い美しさで満ちています。どことなく源氏物語の世界に飛び込んだようで、現代の忙しさを忘れさせてくれます。

鳥居をくぐり、正面に見えるのは善女竜王を祀る善女竜王社。そして、右手に見えるのは恵方社です。心を鎮めて、お参りをしていきましょう。


恵方社とはその名の通り、恵方にいらっしゃるとされる歳徳神(その年の幸運をつかさどる神様)にお参りするための社です。日本中でここにしかなく、大晦日の夜には翌年の恵方に向けて社殿を回す「恵方廻し」という珍しい儀式が行われます。もし機会があったら訪れてみてはいかがでしょうか。

そして、左手に見える美しい朱塗りの橋は「法成橋」。これは法成就池に掛かる橋で、願い事を祈りながら渡ってお参りをすると、願いが叶うとされています。ちなみに、法成就池は弘法大師が祈雨に成功したことから名づけられたのだとか。
神泉苑が持つ長い歴史を感じながら、次の目的地へ進みましょう。次は、京都の中でも少し変わった神社に向かいます。
神泉苑を出て、御池通を左へ。そのまま大きな堀川通も超え、しばらくまっすぐ。この辺りは交通量も多いですが、大きな歩道がありますので落ち着いて歩けます。
堀川通から数えて3筋目、西洞院通を左へ。しばらく進むと、右手側に金色の鳥居が特徴的な御金神社が見えてきます。
神泉苑
〒604-8306 京都府京都市中京区門前町166
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D. 金運にご利益がある御金神社
世知辛いニュースが多い昨今、金運のご利益があるとされる神社にお参りしたくありませんか?
御池西洞院を北に入った所、マンションや普通の住宅が立ち並ぶ通りにひときわ目立つ金色の鳥居。この神社こそが、金運にご利益があると有名な御金神社です。小さな神社ではありますが、参拝者が次々に訪れる有名なスポットでもあります。

主祭神は金山毘古命(かなやまひこのみこと)。金山毘古命(かなやまひこのみこと)は金属や鉱石、鉱山などを司るとされる神様です。また、天照大神(あまてらすおおみかみ)と月読命(つくよみのみこと)も共に祀られています。
主祭神が金属を司るため、それが転じて資産運用なども含む金運にご利益があると信仰されるようになりました。
御金神社は元々、個人の御屋敷内に建てられた邸内社でした。しかし、周囲には金属を扱う人々が多かったことから参拝を願う人が後を絶たず、1883年(明治16年)に現在の場所に移転することになりました。神社としては比較的新しいのですが、篤く信仰されてきたことが分かりますね。
最大の特徴である金の鳥居をくぐり、参拝していきましょう。

向かって正面の本殿の奥には、樹齢200年とされる銀杏の木が立っています。この銀杏はご神木であり、絵馬やお守りのモチーフとなっています。

可愛らしいものも多いので、興味があれば社務所をのぞいてみましょう。
また、本殿の瓦や鈴緒にも注目です。瓦には「金」という文字が彫られており、鈴緒は金色。絵馬にも金色が使われているため、見渡す限り金色が輝きます。なかなか見られない光景で、その分ご利益もありそうです。

参拝を終えたら、最後の目的地へ進みます。今度は少し趣向を変えて、サブカルチャーを存分に楽しめる所へ向かいましょう。
御金神社を出て左の方へ、最初の十字路、押小路通を右へ曲がります。かなり細めの道で、昔ながらの家やお店、そして時折出てくるおしゃれなカフェやレストランなどを見て歩くのがおもしろい道です。歩道がなく、車通りも多いため、注意してくださいね。
ずんずんと押小路通をまっすぐ進んでいくと、大通りである烏丸通に出ます。烏丸通を右に折れ少し歩くと、右側に「京都国際マンガミュージアム」が見えてきます。
御金神社
〒604-0042 京都府京都市中京区押西洞院町61
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E. 珍しいマンガの博物館「京都国際マンガミュージアム」
京都国際マンガミュージアムは、マンガをテーマにした珍しい博物館です。京都市と、マンガ学部で有名な京都精華大学が共同で設立しました。1995年に廃校となった龍池小学校の校舎をそのまま利用しており、モダンな学校の雰囲気を今に残しています。

京都国際マンガミュージアムの所蔵作品は約30万点。最近の話題作から、江戸時代の戯画や浮世絵など貴重な作品が保存されています。予約しないと見られない作品も少なくありませんが、マンガやサブカルチャーが好きな人であれば訪れて損はありません。
また、30万点の所蔵作品のうち5万点は「マンガの壁」に配架されており、誰でも自由に手に取って読むことができます。壁一面を埋め尽くすマンガは圧巻の一言。未体験の作品に触れて、新しい世界を覗いてみてください。
天気が良ければ、芝生が美しいグラウンドに出て一息つきましょう。カフェもありますので、小腹が空いたときに立ち寄るのも良いかもしれません。ちなみに、「マンガの壁」にあった本であれば、グラウンドに持ち出して読むことが可能です。
京都国際マンガミュージアムでは、企画展やイベントが定期的に開催されています。なかなか見られない資料を見るチャンスですので、興味を惹かれた場合は、是非鑑賞していきましょう。
読みたいマンガをたっぷりと読み、芝生やカフェで疲れを癒した後はいよいよ散歩もおしまいです。
京都国際マンガミュージアム
〒604-0846 京都府京都市中京区金吹町452
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F. 京都市営地下鉄 烏丸御池駅

京都国際マンガミュージアムを出て右へ。烏丸通を南へ下がっていきましょう。しばらく進むと、京都市営地下鉄の烏丸御池駅が現れます。烏丸御池駅は地下鉄の烏丸線と東西線の両方が乗り入れており、観光や通勤・通学にと非常に便利な駅です。
烏丸御池駅には「コトチカ御池」という小さな地下街があります。小さいながらもカフェや書店などが揃っており、欲しいマンガを買ったり、コーヒーを飲んだりして過ごすことができます。
散歩の締めくくりに、今回歩いた場所に思いを馳せながら、少しの時間を過ごしてみてはいかがでしょうか?

歴史とサブカルの京都散歩のおさらい
※今回の散歩では、拝観料が必要な場所が含まれています
A.(スタート)京都市営地下鉄東西線 二条城前駅
↓ 210m
B.二条城
↓ 600m
C.神泉苑
↓ 750m
D.御金神社
↓ 500m
E.京都国際マンガミュージアム
↓ 160m
F.(ゴール)京都市営地下鉄 烏丸御池駅