大阪中之島 今日のぶらり散歩
今回散歩していくのは、大阪を流れる堂島川と土佐堀川に挟まれた中州の町・大阪中之島。
中之島は、大阪随一の繁華街やビジネス街のほど近い場所にある、美しい都会のオアシスです。また、図書館や美術館、科学館といった施設が並ぶ、文化的な街でもあります。この一帯を歩くだけでも、その素敵な雰囲気に癒されることでしょう。今回は、美術館と図書館を散歩コースのメインに据え、大阪中之島をじっくり見ていきます。
大阪中之島 散歩のコース
今回の散歩の始まりは、巨大なターミナル駅である「JR 大阪駅」です。この駅は、関西を代表する大都市・大阪梅田の中心的存在であり、地下鉄や多くの私鉄が乗り入れています。そのため、各地の観光の始点ともなっています。
それでは、JR 大阪駅の南側の出入り口、「大阪駅前」の交差点から次の目的地へ向かっていきましょう。
大阪駅前の交差点を、まっすぐ南の方向へ。少し歩くと、「大阪駅前南」という交差点に行き当たります。この交差点を左の方向へ進んでいきましょう(Yの字に見える場所を左へ)。この場所は高いビルが立ち並ぶ、ビジネス街となっています。
しばらく歩くと、大きな道・曽根崎通りに突当たります。信号を渡り、左の方向へしばらく進むと、右側にカラオケ店と薬局に挟まれた細い道が見えてきます。この道を入っていきましょう。
石畳の道を避けるように、細い道を進んでいきます。この道は裏通りにあたり、渋めの飲食店が並ぶ、なかなか情緒のある通りです。そのまま進むと、再度大きな通り・御堂筋に出ることができます。昭和の名曲で歌われた所ですね。御堂筋を右に折れ、まっすぐ進んでいきましょう。しばらく歩くと、堂島川に掛かる大きな橋が見えてきます。この橋を渡った所が、散歩のメインとなる中之島です。
橋を渡って左の方向、川沿いの道を歩いて行きます。少し進むと、左側に最初の目的地・大阪府立中之島図書館が見えてきます。
B.バロック式建築が特徴の大阪府立中之島図書館
大阪府立中之島図書館は、どっしりとしたバロック式建築が特徴の図書館です。1904年に建てられて以来、府民に愛されてきました。奇跡的に戦火を逃れ、幾度かの増築を経て、今の姿となりました。本館と両翼の建物は、国の重要文化財ともなっています。
中之島図書館は、その重厚な建物を外側から眺めているだけでも楽しめます。しかし、せっかくここまで来たのですから、中を覗いてみましょう。
中之島図書館の見どころは、何といっても巨大で荘厳な中央ホール。優雅な手すりを持つ階段で、まるでタイムスリップしたかのような気分に浸れます。そして、中央ホールには彫像といった美術品などもあるため、ゆっくり見学していきましょう。
中之島図書館は古文書やビジネス関係、大阪関係の書籍が数多く所蔵されています。左右の部屋に資料室があるため、興味のある分野があれば覗いてみても楽しいでしょう。
歴史ある図書館を堪能したら、次の目的地へと向かっていきましょう。
図書館を出て、最初に歩いて来た川沿いの道を左へ。少し歩くと信号が見えます。その信号を右方向に曲がり、すぐに見える再度の信号を左方向に折れましょう。ちなみにこのとき、美しい朱色の建物「大阪市中央公会堂」をみることができます。中央公会堂を後ろに見ながら広い歩道をしばらく進むと、左手に次の目的地「こども本の森 中之島」が見えてきます。
C.子供のための素敵な図書館!「こども本の森 中之島」
中之島は、子供と一緒にお散歩をするのに最適な場所。そして、子連れの方に一番おすすめしたいスポットが、「こども本の森 中之島」です。
「こども本の森 中之島」は、子供のために作られた素敵な図書館。数多くの「子供のための本」を所蔵しており、12のテーマに分けて紹介しています。勿論、自由に手に取って読むことができます。また、子供にとって座り心地が良く集中しやすい椅子が置かれ、どっぷりと本の世界に入り込むことができます。
ここの主役はあくまでも子供。しかし、大人でもゆったりとした時間を過ごすことができますし、子供のための設備が整っているため、安心して過ごすことができるはずです。子供と一緒に本の世界に浸ったあとは、ショップを見ていきましょう。子供が使いやすいオリジナルマグカップやマスキングテープ、ボールペンなどを購入することができます。穏やかで優しいデザインのものが多く、ホッとするラインナップとなっています
では、「こども本の森 中之島」を出て、次の目的地に向かっていきましょう。
施設を出て、先程歩いた道を戻ります。朱色の中央公会堂が見えたら、分かれ道を左方向に向かい、そのまままっすぐ進みます。整備された美しい歩道があるため、安心して歩くことができますよ。
大阪市役所の前を通り過ぎると、巨大な橋があります。その橋を渡ってすぐ右側が、次の目的地「日本銀行大阪支店」です。
D.明治の歴史薫る日本銀行大阪支店(旧館)
日本銀行と言えば、「銀行の銀行」。日本の経済を司る非常に重要な場所です。東京のイメージが強い日本銀行ですが、実は日本の各地に支店が存在しています。中之島にあるここもその一つ。
日本銀行大阪支店は、新館と旧館という2つの建物があります。今回は、丸い屋根を供えた洋風建築が目を引く旧館を中心に見ていきましょう。
旧館の特徴は、帽子のようにも見える円形の屋根と、その周囲を彩る美しい緑色。明治時代の文化と西洋風の美的センスが融合した、現在でも見劣りのしないデザインとなっています。現代で人気なスタイリッシュさはありませんが、長い歴史の薫りを感じることができるでしょう。
日本銀行大阪支店は、周囲を散策するだけでも十分楽しめます。しかし、事前に予約をしておけば、旧館の内部と新館の一部を見学することができます。散歩の予定を事前に立てている場合は、予約しておくとより楽しめますよ。
それでは、次の目的地に進みましょう。
日本銀行大阪支店の南側に出て、川沿いの道を右方向へ。後はほぼ直進です。しばらく歩くと橋が見えてきます。その橋を越え、さらに直進。「府立科学館前」という信号を超えれば、すぐそこに国立国際美術館があります。
E.コレクション展示や特別展示が魅力的!国立国際美術館
国立国際美術館は、アメリカの建築家シーザー・ペリーにより設計され、1977年に万博記念公園内に建てられました。現在の中之島に移ったのは、比較的最近の2004年のことになります。
国立国際美術館の特徴は「完全地下型」であるということ。展示室やショップなど美術館を構成する設備が皆地下にあり、エントランスから入って、地下へと降りていく構造になっています。
この美術館は、建物自体が一種のアートとなっています。建物内部はとてもモダンで独創的。各所に芸術品が散りばめられ、地下空間も開放的です。展示室に入らずとも、美しく芸術的な雰囲気を存分に感じることができるでしょう。国立国際美術館は、国内外の現代美術をメインとした美術館です。そして、その一番の魅力は、年に数回行われるコレクション展示や特別展示。興味を惹かれるものがあれば、覗いてみることをおすすめします。
また、美術館に子連れで訪れるのはハードルが高いものです。しかし、国立国際美術館は子供向けのイベントを定期的に行っているため、子連れの人にも安心ですよ。地下空間での芸術を堪能した後は、次の目的地へと進みましょう。次に向かうのもまた、国立国際美術館のすぐ隣にある大阪中之島美術館です。
F.黒い立方体の建物が印象的な大阪中之島美術館
大阪中之島美術館は、国立国際美術館や大阪市立科学館のすぐ傍に位置する美術館です。その特徴は何といってもその姿。黒い立方体の建物が強い印象を与えます。
大阪中之島美術館は、近代から現代にかけて数多くの美術品を所蔵しています。しかし、コレクションの収集はうまくいったものの、施設を作ることには紆余曲折ありました。結局大阪中之島美術館が開館したのは、つい最近の2022年のこと。まだ出来立てホヤホヤな美術館です。
建物の外見は非常にシンプルですが、内部は複雑な造形をしておりどこかSFチック。また、館内では写真撮影も可能なため、その独特の風景を写真にとっておきましょう。
また、大坂中之島美術館では、「大阪」をテーマとした展覧会や有名な画家の展覧会なども行われています。魅力的なコレクションが開催されているため、ぜひ見学していきましょう。
さて、いよいよ散歩も終わり。散歩の起点である大阪駅に戻りましょう。
G.JR 大阪駅
大阪中之島美術館を出て川沿いを進んでいきましょう。右手に大阪フェスティバルホールが見えたら橋を渡り北上していくと大阪駅です。途中から地下街にも入れますので暑さ寒さも防げます。約15分の道程。お疲れさまでした。
大阪中之島 散歩コースのおさらい
A.(スタート)大阪駅
↓ 1.2km
B.大阪府立中之島図書館
↓ 350m
C.こども本の森 中之島
↓ 600m
D.日本銀行大阪支店
↓850m
E.国立国際美術館
↓150m
F.大阪中之島美術館
↓1.4km
G.(ゴール)大阪駅
合計約4.5km(施設内の移動は含みません)